2020年7月から、コンビニやスーパーのレジ袋有料化が始まりましたね。賛否両論がある中で開始された有料化。取り組み自体の効果がいかなるものかという結果も重要だと思いますが、私は地球環境について考える「きっかけ」としてある程度影響力がある取り組みになるのではないかと感じています。ほとんどの人が日々当たり前に利用していたレジ袋が無くなる・有料化されるという事は、毎回レジで啓蒙されるようなものです。実際、有料化を機にゴミ削減や地球環境に興味を持った、調べてみたという方も少なくないのではないでしょうか。このように少しずつ地球環境問題に対して知識を深めていったり、立ち止まって考えたりする事が定着化するのは、とても前向きな変化だと感じます。
2010年前後は、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)のデータ取扱いに関する事件もあり、人為的な活動や二酸化炭素排出が本当に気候変動に直接的に関連しているのかどうかという議論が随分と行われました。今日に至ってもなお、温暖化は地球史的に見た気候の変動の一部だという説も、途上国の発展によりさらに加速された人間活動が温暖化を助長しているという説も、どちらも存在しています。
地球環境に関する問題は、実に様々な専門的データや科学者の意見、政治的見解が絡み合い、なかなか地球上の全ての人が合意するような「これが正解!」が出ない問題です。そんな一筋縄にいかない問題と共に生きていかなくてはならない私たちは、どうすれば良いのでしょう?
与えられた情報を鵜呑みにするのではなく自分なりに情報を見聞し、自分をあらゆる方面の知識に触れさせることです。議論を重視する教育方針の欧米諸国では、子供でも「educate yourself」が一番大切だと知っています。educate yourselfとは、直訳すると自分自身を教育すること。その問題について勉強することです。皆さまも、ぜひこの機会に地球環境問題という大きな問題のドアを開けてみて知見を広げてみてください。
私ももっともっと勉強が必要だと思いますが、今私なりに信じているのは、「化石燃料の枯渇を少しでも先に伸ばす事とそれに変わるエネルギーの開発」また「大量に排出される廃棄物の削減」で、地球環境を改善する正しい道といって間違いないのではないかと思います。

ご存知でしたでしょうか。2020年、日本のエネルギー自給率は11%強でOECD諸国37カ国中で34位あたりを推移しています(経済産業省資源エネルギー庁)。自給率11%はおせじにも高いとは言えませんが、内訳を見ると殆ど原子力、水力、地熱・風力・太陽光などの再生エネルギーで構成されていますし、数年前の9%からは微増しています。
現状ではまだ自然エネルギーは安定したシステムとは言えず、効率が良くないと言われることもありますが、日本にも世界に通用する有望な技術がありますし研究や供給システムの進展を願います。需要や消費を高めることでメッセージを送り、自然エネルギーやバイオマスエネルギーを応援していきたいものです。
そうです、私たち消費者がこれまでと違った物事を求めることで産業を変化させていけると思うのです。
なぜなら、産業の本質的な構造をおさらいしてみると分かるのですが、産業は消費者が求めるものを提供して利益を得、成り立っているものだからです。需要が起点となり供給が生まれて産業が発展する訳ですね。
ここで一旦立ち止まって、これまでの生活を振り返ってみてください。
・長期休暇には飛行機で海外旅行に行く
・沢山の種類から選べて安い、ワンシーズンごとに買い替えられるファストファッションが好き
・電気やガソリン・水資源は当たり前に存在していて困った事はない
・スーパーやレストラン、コンビニに行けば新鮮で必要なものが手に入る
・テイクアウトの料理などのパッケージフードは捨てられるから食器を使わなくて楽で良い
・一応分別はしているがゴミの量自体はあまり気にしていない
・1〜2年、2〜3年で買い替えることを前提に安価な買い物をする
・数分おきに来る電車やバス、新幹線で通勤する
・一家に最低1台はマイカー所有が当たり前
さて、当てはまるものはありましたでしょうか?きっと皆さま、いくつか当てはまる項目があるはずです。
私も当てはまるものがあります。何故と振り返って自分に問うと、あまり深く考えていなかったか、考えていたとしても自分の利便性やお財布事情だけというお恥ずかしい話です。
今日を機に、上記のような行動は全て私たちが求めたからこそ存在し、提供されてきたと言うことを忘れないようにしましょう。1人の行動も集まれば大きな影響力です。
何が言いたいのかをまとめますと、私たちが消費スタイルを変え、求めるものを変える事で、産業というスケールの大きなものを動かすことができるのだという事に気づいていただけたら嬉しいという事です。産業を動かす力を持っているのは、まさに私たち一人一人の消費者なんだというのは夢がありますよね。
ぜひ、自分の力や可能性を信じてください。個人の生活スタイルや消費活動を変えて、産業のあり方や社会の方向性を変えましょう。
次回の記事では、ブルーパロットが会社で行っている環境への取り組み、従業員たち個人が私生活で取り組んでいる事などをご紹介したいと思います。どれも具体的で難しい事はありません、皆さまもすぐに真似していただけるものがたくさんです。
ぜひお楽しみに。