「青海波(せいがいは)」とは同心円の渦を、波を重ねたように繰り返した文様です。
舞楽(=雅楽)の中で最も華麗優雅な名曲、二人舞の「青海波」の時に用いる下襲(したがさね)にこの模様が付けられていたことから名付けられたと言われています。
青海波文様の歴史
風呂敷や着物の図案でも見かけるので、とても日本的な文様に感じますが、実はこの青海波文様はエジプトやペルシャなどの国でも使用されているものなのです。シルクロードを経て飛鳥時代に日本に伝わったとされ、平安時代に書かれた源氏物語の中では、まさに先述の「青海波」という舞楽を舞う若き光源氏の姿が描かれているのです。その後、水の意味としてこの文様が用いられるようになったのは鎌倉時代以降と言われているそうです。
余談ですが、鎌倉時代 × 青海波というと 源義経が一ノ谷の戦いで乗った青鹿毛の愛馬が「青海波」という名前だったのを思い出します。
青海波文様の意味
さて、青海波文様が一般に広まった理由としては、青海波は広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄で、無限に広がる波の文様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、人々の平安な暮らしへの願いが込められているからなのだそうです。
なるほど言葉の響きにも、図案にも悠々とした雰囲気が漂っていますよね。海に囲まれた日本の豊かで恵まれた様子も表しているように感じます。
器に描かれる青海波文様
器の文様としては、全体的に青海波が描かれているものは少ないのですが、よく見ると様々なうつわに窓絵や割絵として登場し、華やかさを添えています。
錦絵・赤絵のうつわは特に登場頻度が高いので、手にした際にはぜひ注目してみてください。
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