こちらのよみもの「地球環境に良いこと」では、環境に配慮した生活と骨董・アンティークの関係性などについて発信しております。どんな人が記事を書いていのるかという疑問にお応えして、今回は筆者の体験談をお話ししてみたいと思います。この記事を読んで、地球環境と相性抜群なアンティークの存在について気づいていただければ嬉しいです。
私は大学時代に国際法や環境法について学ぶ過程でアフリカに研究に行かせていただいた事があります。そこでの研究の傍ら、太陽熱で調理をしたり、一直線の地平線に沈む夕陽を眺めたり、シマウマやゾウが宿舎前の池に水を飲みにくるのを観察したり… そういった実体験を経て、人間であろうが日本人であろうが、今目の前に広がるアフリカのサバンナで生活する人や動物と何ら変わりない地球の生態系の一部なのだと考えるようになったのを覚えています。
それ以降は、できる範囲の小さな事ばかりではありますが、なるべく地球環境や生態系に良い選択をしながら暮らすようにしてきました。
そして、研究を続けインフラ企業の勤務などを経た何年か後、縁あって夫の家業である骨董業を継ぐ事になりました。
底が見えない宇宙のように広い骨董の世界。自分が何を知らないのか、何から学べばいいのかも分からなくて苦労していた頃でも「この業界は素晴らしい!」と思っていた点は、私たち骨董業界が「古い物やその価値観を次世代に繋いでいくことで、古き良き文化や習慣も継承していける」という事でした。
時代を経てきた”物”が存在する事で初めて「これ何?」「誰が何に使っていたの?」「誰が作ったの?」など疑問を持ったり、会話が始まったりしますよね。"物"が存在しなければ風化していってしまう歴史文化や習慣がたくさんあるので、"物"が残っていることは何より貴重です。

"物"が実にたくさんの事を教えてくれるという事については、骨董知識ゼロから今は仕入れを担うまでなった私自身が証人です。
古い物に出会う事で本当にたくさんの歴史や習慣、美的感覚、ものづくりの精神やものを扱う・使う精神を学ぶことができたのですから。時代を経て今に残ってきた物たちは素晴らしい先生であり先輩でもある... そう思うと2020年までいてくれてありがとうございます!と感じます。
そしてある時、「物を大切にする事」や「手入れして長く使う精神」というのは、私がかつて学んでいた「地球環境問題」の課題解決に欠かせない精神なのでは?と気づいたのです。なぜなら、手入れして物を大切に使うことは無駄な消費をしないということですし、昔の作り手や使い手に思いを馳せるということは自分以外の周囲や関係者の存在を意識する広い視野を養う事でもある… そう思ったからです。

さらに私達の店内にある商品を見渡すと、
・長持ちするよう丁寧に作られている
・究極のリサイクル性がある
・人工的な素材ではなく安全な天然素材を使っている
・カーボンフットプリントが低い
という、環境負荷が極めて低い性質があるという事にも気が付きました。
地球環境問題については様々な議論があるのですが、「資源を無駄遣いしない事」や「廃棄物を増やさない事」は間違いのない取り組みと言えるのではないでしょうか。
骨董・アンティークがこの2つの取り組みを実現できるという点を発見した今、私の携わっている業界がより良い未来に貢献できるのではないかと期待しています。
地球環境問題というのはとてつもなく大きく、手がつけられないようなイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、ぜひ一緒に身近なところから楽しく始めていきませんか?
地球や世界というスケールを一度身近に落とし込んで、まずは日本という恵まれた土地に残された古き良きものを通じて、環境に配慮できるマインドを養っていきましょう。
これからも考える機会となるニュースや記事、具体的なアイデアなどについて発信してまいります。筆者の記事が一人でも多くの方が行動するきっかけとなければ嬉しく思います。