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和箪笥の種類と選び方3

ひとことに「和箪笥」といっても用途によって様々な構造の違いがあるものです。この記事では主だった箪笥の種類を、選ぶ際のポイントとともにご紹介します。

和箪笥だからといって和室に置かなくてはいけないということはありません。現代のライフスタイルに合わせて、また、これからのシンプルで洗練されたインテリアの中にも是非取り入れてみたい品です。日本の美的感覚が詰まったお気に入りの一品を見つけてみましょう。

水屋箪笥・膳棚

本来 水屋とは、水を扱う台所や、茶室の隅にあって茶器などを洗ったり置いたりする所を指していました。それが後になって、そこに置いて食器を入れる戸棚のことを水屋・水屋箪笥と呼ぶようになったのです。昔の食器棚ということですね。ただ、冷蔵庫がまだ普及していなかった時代には食べ物もしまっていたので、風通しを良くする目的や虫が入らないようにする目的で、中段の扉は金網を張ったり、簀子(すのこ)状にしたものが多くありました。

この構造は現代あまり好まれないため、ブルーパロットではこの金網部分はガラスなどに入れ替え、昔の雰囲気を残しながら使いやすいように修復しています。

水屋箪笥のデザインは産地によって異なります。よく知られているものとして、しっかりと組まれた框(かまち)に横桟が特徴の京都の京水屋、また高級感がある細く細かな縦桟が特徴の滋賀の近江水屋などが美しいと言われています。

大きいものになると幅が一間半(約270cm)のものもありますが、一間(約182cm)、4尺(約121cm)、3尺(約91cm)のものが最も多く、高さはおおよそ一間前後(約170〜190cm)が多いでしょう。

水屋箪笥の雰囲気とよく似たデザインで、奥行きが50cm〜60cm前後と深いものは、お膳を収納する目的で作られた戸棚で膳棚とも呼ばれます。

選ぶ際には、置く場所のインテリアに合わせて、まずサイズは横幅は一間、4尺、3尺どの程度のものが良いのか、奥行きは膳棚ほど深い方が良いのか、浅い方が良いのかなどをイメージしてみましょう。写真左のような昔ながらの伝統的なデザインの水屋箪笥は重厚感ある作りのものも多いので、写真右のような昭和初〜中期の水屋の方が現代の空間に馴染みやすい場合もあります。

また袋戸棚や引違い戸、引出しなどの組み合わせは水屋箪笥それぞれ個性豊かです。職人が毎回趣向を凝らして丁寧に仕上げたことが伺えますね。よって、収納部分は大きな空間が良いのかそれとも細かく分かれていた方が良いのか、引き出しの位置は上中下どの位置が便利かなど、使い方や収納するものに合った構造のものを選びましょう。

薬箪笥

その名の通り、医者や薬屋などが薬や漢方薬を入れて置くのに用いていた箪笥を薬箪笥と言います。小さい引出しがずらっと並び、百味箪笥や百目箪笥とも呼ばれます。

医者や薬屋が持ち運べるようにしていた小さなものから、千と千尋の神隠しで釜爺が使っていたような壁一面を埋め尽くす大きなものまで、様々な大きさのものがあります。

薬箪笥の見分け方としては、何といっても他の箪笥よりも何倍も引出しの数が多いことです。多いものでは100個以上引出しが付いているものもあるのです。

薬箪笥は他の箪笥と比較しても、元々作られていた母数も、現代に残っている数も少ない珍しいものです。 引出しの大きさや数も様々であることはさることながら、引き手金具も色々です。引出しの数が多い故に引き手金具の種類によってずいぶんと全体の雰囲気が変わるので興味深いですね。

時代の古いものだと丸環や小さな摘み引き手が多く、大正・昭和のものだとラベルが入れられる引き手金具も見受けられます。

選ぶ際は、薬箪笥は引き出しの数が多い為きちんと金具が揃っているかどうか確認しし忘れないようにしましょう。もちろん時代の古いものですといくつか金具が無いものもありますし、鑑賞用としてはそれはそれで時代を感じさせる趣があって良いと思います。しかし、実用される場合には引き手金具がないと使いづらいと思うので、忘れずに確認したいポイントです。全ての金具が当時ものでなくとも、似た金具を合わせて修復してあるのも良いと思います。

また薬箪笥は引出しが細かいので、自分ではなかなか滑り具合の調整や建てつけの修正はできないものです。引出しの滑りが良く、きちんと機能するかどうかも確かめたいポイントですね。

隙間箪笥

名前から想像できるように、小さな隙間に合わせて誂えられた箪笥です。細長い形をしており、一目で珍しい箪笥だと分かりますね。

細幅でありながらしっかりとした錠前金具や引き手金具、竿通しなどがつけられているものもあり、現代の限られた住居スペースでも時代箪笥を楽しむことができます。

軸箪笥

掛け軸を収納するために特別に作られた箪笥です。写真のような横長の引出しのタイプと、軸箱ごと入れる奥行きの長い戸棚のタイプが主な形です。

軸箪笥は他の箪笥に比べて小ぶりなサイズのものが多いので、小さめのローボードや飾り台などをお探しの場合におすすめのものです。

針箪笥・お針箱

針箪笥やお針箱と呼ばれるものは、女性が和裁道具一式を入れていた裁縫箱のことです。ミシンが登場する以前は手縫いだったので、色々な道具を納めておく大切なものだったと考えられます。小さな引出しが組み合わさっており持ち運べる程度の大きさです。

写真左のような針山・絎台付きのものが明治〜大正時代の形で、大正〜昭和になると写真右のような形のものが主流となったと言われています。裁縫箱としてはもちろん、小物や文房具入れとしても使える大きさで、現代は男女問わずおすすめできるものです。

硯箪笥・懸硯

江戸時代になって筆や硯を使う人口が増えたことにより普及したと言われる硯箪笥。上に提手が付いているものが多く、筆や硯、帳面やお金を入れて持ち運びやすくしていたことが伺える構造です。懸硯(かけすずり)とは、持ち運ぶという意味の「懸け」から来たとも言われています。

硯箪笥には、引出しの内側が一つだけ黒く塗りつぶされているものがありますが、これは硯を入れる所だけ、汚れが目立たぬよう塗ったものだそうです。

長辺が30~45cm程度の小さな引出しですが、しっかりとした黒い金具が取り付けられていたり、使い込まれた雰囲気があったりするものが多く、味わいある箪笥です。

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