ひとことに「和箪笥」といっても用途によって様々な構造の違いがあるものです。この記事では主だった箪笥の種類を、選ぶ際のポイントとともにご紹介します。
和箪笥だからといって和室に置かなくてはいけないということはありません。現代のライフスタイルに合わせて、また、これからのシンプルで洗練されたインテリアの中にも是非取り入れてみたい品です。日本の美的感覚が詰まったお気に入りの一品を見つけてみましょう。
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茶器や食器などを入れておくための、棚や引き出しを備えた箱型の家具のことをいいます。車箪笥や薬箪笥、刀箪笥や階段箪笥など、時代とともに姿を消した箪笥と比べ、茶箪笥はひと昔前まで家庭に見られた箪笥です。 側面にの格挟間(こうざま)という透かしがあったり、違い棚があったり、曲線がかった意匠が施されていたりと、直線的で重厚感がありきちっとした作りが特徴の他の時代箪笥とは異なる佇まいを持っています。 なぜなら茶箪笥は「収納する」という機能性と同程度に「飾る」という概念も重要視された家具だからではないでしょうか。 選ぶ際には、日本の美的感覚が詰め込まれたものを探してみましょう。上述の特徴だけでなく、蒔絵が施されているものや、竹やガラス、網代など異素材を組み合わせたものもあります。 茶器だけでなく、コーヒーやお酒の収納棚としても良いと思いますし、飾り棚としてコレクションを飾るのにもおすすめです。 |
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江戸時代から明治にかけての髪結さんが道具を入れていた手箱に鏡掛けを一緒にしたものが、今の形に近い鏡台の始まりと言われています。江戸時代には鏡の量産が可能となり、一般庶民の生活にも普及したと言われていますが、当時の鏡は銅やすずの合金製だったため、曇った鏡を磨く鏡磨き職人が存在していたそうです。 今日私たちの知るような鏡が出回ったのは明治になってからで、文明開化の象徴として広く普及したのです。 左の写真の古い形のものから、明治〜昭和初期まで嫁入り道具として幅広い家庭に普及していた中央の写真の形、また小引き出しの蓋が鏡になった回転鏡台と言われる右の写真のようなものも作られました。 鏡台は女性が使うものだったので、象嵌や蒔絵、また金具も草花や蝶などの形だったりと凝ったものが多くあります。 選ぶ際にはぜひ細部に渡ってよく見てみましょう。控えめながら女性らしいこだわりがあるのが、いかにも昔の日本女性の持ち物を思わせておすすめです。 また、古い鏡は曇りがあったり変質していたりするものがあります。せっかく使うのであれば、古くても鏡の状態が良いもの、もしくは新しい鏡に入れ替えてあるものを選ぶことをおすすめします。ぜひその点も確認して選ぶようにしましょう。 |
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階段箪笥とはその名の通り、2階に上がる階段下の部分を有効に活用するために、引出しや引戸などの 収納を組み合わせた箪笥をいいます。 箱階段や箱箪笥などと呼ばれることもあります。 江戸時代の初期に京都や大阪など関西の狭い町屋から全国に広まり、来客を迎えるような座敷や店の間など人目につく場所に置かれていました。 建物の柱や壁と一体化しているものと、移動ができる置き型があります。 それにしても階段と箪笥を一体化してしまうというのは、先人の知恵に感服ですね。 階段箪笥は、古い住居の取り壊しや新築に伴い取り壊されてしまったものがほとんどで残存数も少なく、真に時代が古く今も残っているものは和家具の歴史から見ても貴重なものです。 大きな家具なのでなかなか現代の間取りに取り入れるのは難しく、実際に2階に上がる目的で作られたものではなく、当時の階段箪笥に似せた小ぶりの飾り棚のようなものも多く出回っています。 それらの中にも明治・大正のものもありますので、古い時代の階段箪笥が欲しい、でもサイズが… という場合は小ぶりな階段飾り棚のようなものを探してみるのもおすすめです。 |
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ぱっと見た時には、衣裳箪笥の下の部分、低い衣裳箪笥のようにも見えます。しかし、衣裳箪笥と比べると引出しが浅く、箪笥自体の奥行も30?程度のものが多い傾向にあります。また、大小の刀を収める寸法で作られていた為、横幅は主流の衣装箪笥よりも長く110〜130cm前後のものがほとんどでしょうか。 長い引出しだけのものだけでなく、替えの鍔や手入れ道具を入れた片開き扉や小さな引出し付いているものもあります。 着る物や掛け軸などの美術品と同様に、刀剣を入れた刀箪笥も湿気を防ぐ桐材で作られているものが多いですが、時にケヤキなど厚みのある木に大きめの金具がついた重厚感のあるものもあり、持ち主や置いていた環境などを想像させる魅力があります。 刀箪笥は奥行きも狭く、高さも低いものがほとんどですので、小さめの和風ローボードを探しているという方におすすめです。 あまり華美な金具は好まれなかったのか、刀箪笥の錠前・引き手金具はシンプルなものが多いですが、木肌はさっぱりとした桐材から艶のあるケヤキ、また朱や黒など漆塗りが施されたものなど様々な種類がありますので、ぜひご自宅のインテリアに合わせた色味を選んでみましょう。 |
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